小心者のつらつら日記

日々思いつく事をつらつら書きます

書評 「ひきこもりで いいみたい」芦沢茂喜


現在、日本には100万人以上のひきこもりの人がいるとみられている。
人口の約1%の人が該当している。
マスコミでは時々8050問題を取り上げている。


この本は山梨県の保険福祉事務所に勤務する芦沢茂喜さんと、ひきこもりの本人と、その
家族の方々の物語である。


私が芦沢氏のことを知ったのは、確かNHKの番組だったと思う。
その番組のおかげで芦沢氏に興味を持ち、この本に出合った。


初めてのイチゴ栽培

著者は以前は精神科病院に勤務していて、その経験から、自信を持って引きこもりの人の
支援の担当になったが、その自信はすぐに崩れた。
今までの経験が、ひきこもりの人には通用しない。


著者はひきこもりに関する本を多数読んだが、答えがなかった。


そこで、試行錯誤をしながら、自分なりのやり方を見つけていく。



芦沢氏が決めた三か条はこうだ。
①一定のリズムで継続して訪問をする
②正論を言わない。
③ゴールを求めない。


正論はナイフという言葉がある。
親は不安から、どうしても正論を言ってしまう。
正論はひきこもりの当事者を追い詰めるだけで、むしろ逆効果になる。


親や、ひきこもりに対応する人は、どうしても自分なりの、あるべきゴールを目指し、
そのゴールへ導こうとしてしまう。


原因探しを止め、将来の希望や目標を聞くことを止め、相手に変化を求めることを止め、
今に集中することに重点を置いているとの事。
多くの事例をあげ、どのように対処しているのかが、書かれている。


私を含め、ひきこもりの対応に困っている方たちにとって、とても参考になる書籍だと思う。